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経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)とは、取引先の倒産による連鎖倒産や経営難を防ぐための共済制度です。突然の取引先の倒産で被害を受けることの多い中小企業の相互共済を目的に昭和53年に創設されました。平成29年3月末現在の加入者数は約43万、共済金の貸付実績は、累計で約27万件、約1兆9,000億円となります。
経営セーフティ共済の特徴
● 無担保、無保証人で最高8,000万円まで借入れ可能
● 取引先の倒産後すぐに借入れ可能
● 掛金の税制優遇を受けられる
● 掛金月額を自由に設定・変更可能(5千円~20万円/月、上限800万円)
● 掛金の前納で減額金が発生(掛金月額の1,000分の0.9)
● 解約手当金は40ヶ月以上の加入で掛金全額
● 取引先倒産時の共済金と臨時の事業資金が必要な場合の一時貸付金がある
中小企業のためのセーフティーネットとなる内容ですね。特に40ヶ月以上の加入で解約時に掛金が100%戻ってくることは、小規模事業者に有り難い仕組みといえます。解約時に手元に戻る現金は益金/雑所得となるので、解約時期には留意が必要ですが、そこを踏まえても悪くない制度といえそうです。共済金と一時貸付金について、もう少し詳しく見ていきましょう。
共済金について
(1)借入条件:取引先が次の状態で倒産し、売掛金などの回収が困難な場合に借入れできます。
1:法的整理
2:取引停止処分
3:私的整理
4:災害による不渡り
5:特定非常災害による支払い不能
一通り網羅していますね。ただし、夜逃げの場合の借入れは不可とのことです。
※上記①~⑥に該当していても、借入れができない場合があります(加入後6ヶ月未満の取引先倒産、取引先倒産日から6ヶ月を経過した後の借入手続、その他)。
(2)利率:無利子
※借入額の10分の1に相当する額が掛金から控除
※返済期日までに返済がない場合、年14.6%の違約金が発生
ここは注意が必要です。共済金の借入れをした場合、無利子ではあるものの、借入総額の10%に相当する額が掛金から取り崩されます。
仮に、上限の8,000万円を借りた場合、満額の掛金800万円すべてが持って行かれるということです。繰上返済による早期償還手当もあるようですが、その率は最大41.2%となっています。
(3)返済期間:借入額に応じて5~7年(据置期間6ヶ月)
一時貸付金について
1、借入れ:臨時に事業資金(運転・設備)を必要とする場合、機構解約の場合に支払われる解約手当金の95%を上限に30万円以上(5万円単位)の借入れができます。(無担保・無保証人)
※機構解約・・・掛金滞納や借入手続に不正があった場の強制契約解除
2、利率:金融情勢に応じて変動
※利息は借入時に一括前払い
3、返済期間:1年(期限一括償還)
解約手当金について
解約手当金は次の3種に分かれ、種類と掛金納付月数に応じて支給率が変わります。
1、任意解約:契約者による任意解約
2、みなし解約:契約者の死亡(個人事業主)や法人の解散、分割時の解約
3、機構解約:掛金滞納や不正行為があった場合に中小機構が行う解約
一部注意が必要な点はありますが、中小企業の相互共済ための制度というだけあって、きちんと理解したうえで上手に活用できればメリットが大きそうですね。とはいえ、ここでご紹介した内容は概要であり、制度改訂などの可能性もありますので、詳しく知りたい方は、下記ウェブサイトより資料請求をしてみてください。ダウンロードできる資料も用意されています。
独立行政法人中小企業基盤整備機構
経営セーフティ共済(資料請求)
http://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/entry/request/index.html
050-5541-7171(平日午前9時~午後6時)